Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
「じゃあ、やめたらいいじゃないの」
紳士は何とも返事をしませんでした。なにか深く考えこんだらしく、トニイが話しかけても相手になってくれませんでした。
五
翌朝、トニイは早く目をさましました。そしてそばの紳士を起こしました。
「僕を家までおくってきてくれる約束だったでしょう」
「だって、昼まなら、一人で帰れるだろう」
「いやだよ。あいつが、化け者が、また出てくるかも知れないんだもの」
「ばかだね、お前は」
それでも、紳士はいっしょについてきてくれました。
二人は歩いていきました。きれいに晴れた日で、朝日がうつくしく照っていました。紳士は煙草をふかし、トニイは口笛をふいていました。
トニイはとくいでした。うまくごまかしてしまったのです。紳士をつれて、マリイの家の方へやってきました。
マリイが住んでるアパートの前まで来ると、紳士はびっくりしたように立ち止まりました。
「お前はここに住んでるのか」
「そうですよ。階段や廊下があぶないんだ、いつあいつが出てくるかわからない。僕の部屋までおくってきて下さいよ」
せまい階段を三階までのぼって、奥の部屋まで行き、トニイはいきなりその扉を開いて、紳士をつれこみました。