Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
それももっともです。すぐ眼の前に、何千年たったとも知れない、また何の木とも知れない、城のやぐらほどもある大きな木の幹が、すっくとつっ立っていまして、その上の方に洞穴みたいな穴がありまして、穴の口に、こちらを向いて、金色の大きな鳥がとまっているではありませんか。その鳥の全身から出る金色の光に、王子は眼がくらみそうになりました。それからようやく気をとりなおして、じっと向こうを見やりました。すると、何故ともなく、その大きな木は森の王の樫で、その金色の鳥は夢の精だということを、王子は知りました。森の唸り声はいつの間にかやんでいました。
鳥はそのめのうのような赤い眼で、王子の姿をじっと眺めましたが、しばらくするといきなり大きな翼を広げて、王子の前に飛び下りてきました。そして足を屈め頭を垂れて、背中に乗れとでもいうようなようすをしました。王子はちょっと迷いましたが、鳥のめのう色のやさしい眼を見ると、すっかり信じきった気持ちになって、その背中へ飛び乗って、柔らかい首筋へしっかとしがみつきました。
王子が背へ乗るが早いか、鳥は大きな金色の翼を動かして飛び上がりました。