Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
キンショキショキ
一
今のように世の中が開けていないずっと昔のことです。ある片田舎の村に、ひょっこり一匹の猿がやって来ました。非常に大きな年とった猿で、背中に赤い布をつけ、首に鈴をつけて、手に小さな風呂敷包みを下げていました。
村の広場で遊んでいた子供達は、その不思議な猿を見付けて、大騒ぎを始めました。けれども猿は平気な顔付で、別に人を恐がるふうもなく、わいわい騒ぎ立てる子供達を後にしたがえて、蔵のある大きな家の前へやってゆきました。そして、そこの庭のまん中で、首の鈴をチリンチリン鳴らしながら、後足で立ち上がっておかしな踊りを始めました。
子供達はびっくりして、猿のまわりを円く取り囲んで、黙ってその踊を眺めました。踊が一つすむと、みんな夢中になって手を叩いてはやし立てました。すると、猿はまた別な踊を始めました。
蔵のある家の人達は、表の庭が騒々しいので、不思議に思って出て来ました。見ると、大勢の子供達のまん中で、赤い布と鈴とをつけた大きな猿が、変な踊をおどっています。
「おや、不思議な猿ですねえ。どこの猿ですか」と家の人はたずねました。けれど子供達も、どこから来たどういう猿だか、少しも知りませんでした。