Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate

Aozora Bunko

と爺さんは言いました。「それから、村の衆へ御礼のしるしに、あの丘のふもとのうまい泉はあのまま残しておいてあげるから、大事にして下されよ」

「ありがとう。……ではまた明日逢いましょう」

そういって村人達は一人ずつ、爺さんと猿とに別れを告げて、家の中へ引き取りました。

そして翌朝早く、村人達はまた広場へやって来ました。ところがもう爺さんと猿とは、影も形も見えませんでした。夜の明けないうちにどこかへ出かけてしまったのでした。名残惜しいけれど仕方がありませんので、村人達はせめてもの心やりに、丘のふもとへ行ってみました。するとやはり猿爺さんが約束した通りに、澄みきった冷たい水が湧き出していて、蜜と氷砂糖と雪とを交まぜたような、何とも言えないおいしい味でした。

それからというものは、村の人達はそれをわざわざ汲みにいったり、野良の行き帰りに廻り道をして飲みにいったりしました。泉のおいしい水は、いつもふつふつと湧き出していました。静かな日の夕方なんかには、キンショキショキ、キンショキショキ……と、美しい音がどこともなくその辺に聞こえたそうです。