Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate

Aozora Bunko

一郎と太郎は、そっと窓のほうに行って、そこに座りました。

小さな戸棚が一つあるきりの、がらんとした、さびしい部屋でした。戸棚の上に、剥製の白い鳥がおいてありました。

窓から外を見ると広い荒地で、その先の方に、赤くにごった池があって、柳の木が二、三本立っていました。そのにごり池と、ひょろひょろした木とを眺めていると、太郎はもの悲しくなってきました。

「さびしい所だね」

と、太郎は言いました。

「でも、馴れるとそんなでもないのよ」

と、一郎は言いました。

「あの池ね、どうしてあんなに赤くにごってるんだい」

「まわりが赤土だからだよ」

「魚も何もいないだろうね」

「いないよ」

「つまらないね」

「それでも、水鳥が時々くるんだよ。ああ、おもしろいものを見せようか」

一郎は、そっと立っていって、戸棚の上の剥製の鳥を持ってきました。それは、鷺に似た白い鳥でしたが、不思議に、長いくちばしが頭の横っちょについていました。

「これね、おじさんが大事にしてる鳥なんだよ。そして何度も、おかしな話を聞かしてくれるんだよ」

一郎はその話をしてくれました。

あるところに、くちばしを二つ持ってる鳥がいたんだって。