Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
――「お前とおれとは、一つの腹きり持っていないんだから、おれが食べたって、お前が食べたって、同じことじゃないか」
――「違うさ」
と、短いくちばしは言い返した。
「お前はいつもうまいものを味わってるし、おれはまずいものばかり、味わってる。不公平だ」
――そして、いくら言い争ってもきりがないし、しまいにはどちらも黙りこんでしまった。けれど、やはり食べるものはないし、お腹は空いてくるので、長いくちばしはまた、短いくちばしに向かって、そのへんをつっついてみろと言いだしたんだ。短いくちばしはほんとに怒っちゃって、どうなろうとかまうもんかという気で、ごみの中や泥の中をやたちにつっつきまわしたよ。
――すると、食べるものはなんにもなかったが、泥の中から、大きなものがにゅっと出てきた。よく見ると、亀の首なんだよ。
――「危ない、危ない」
と、長いくちばしは叫んだ。
「もうやめろよ。亀に食いつかれたら、死んじまうじゃないか。危ない」
――「なに、かまうもんか」
と、短いくちばしは言った。
「おまえが無理にさせたんじゃないか。死んだっておれの知ったことじやない」
――そして短いくちばしは、半分やけくそになって、わざと亀の頭をつっつくと、亀は怒って、その短いくちばしをくわえたんだ。