Classici giapponesi con furigana
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とんぐん
豚群
黒島 伝治
Leggi 豚群 (とんぐん) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7277 caratteri · 15 schermate
もとは、小屋も小さく、頭数も少なくって、母が一人で世話をしていたものだった。親爺は主に畠へ行っていた。健二は、三里ほど向うの醤油屋街へ働きに出ていた。だが、小作料のことから、田畑は昨秋、収穫をしたきりで耕されず、雑草が蔓るまゝに放任されていた。谷間には、稲の切株が黒くなって、そのまゝ残っていた。部落一帯の田畑は殆んど耕されていなかった。小作人は、皆な豚飼いに早替りしていた。
たゞ、小作地以外に、自分の田畑を持っている者だけが、そこへ麦を蒔いていた。それが今では、三尺ばかりに伸びて穂をはらんでいる。谷間から丘にかけて一帯に耕地が固くなって荒れるがまゝにされている中に、その一隅の麦畑は青々と自分の出来ばえを誇っているようだった。
二
もう今日か明日のうちに腹から仔豚が出て来るかも知れんのだが、そういうやつを野ッ原へ追い放っても大丈夫だろうかな、無惨に豚を殺すことになりはしないか。腹が重く、動作がのろいんだが、健二はやはりこんなことを気遣った。
しかし、それはそれとして、今度の計画はうまく行くかな、やりしくじると困るんだ。……
そこへ親爺が残飯桶を荷って登って来た。