Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

Leggi 負けない男 (まけないおとこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.799 caratteri · 202 schermate

Aozora Bunko

堀尾の小旦那

堀尾の小旦那

就職難といっても、その頃は世の中が今日ほど行き詰まっていなかった。未だ/\、大学即ち帝大の時代で、一手販売だったから、贅沢さえ言わなければ、新学士は何処かにはけ口があった。その証拠に、堀尾君の同期生は半数以上身の振り方が定っていた。それが卒業と共にポツ/\赴任する。○高以来六年間毎日顔を合せて来た連中も今やチリ/″\バラ/\になる。送別会が頻繁にあった。

「おい。又明日の晩あるよ」

と同じく卒業したばかりの間瀬君が堀尾君を訪れた。

「誰だい?」

「伊丹さ」

「彼奴は満鉄だったね?」

「然うさ。一番遠いんだから、特別に都合して出てやってくれ給え」

「出るには出るが、何うだね? 二三人宛束にしてやる法はなかろうか?」

「それも考えている」

「大変だろう?」

「何あに」

「いや、実際御苦労だよ」

と堀尾君は犒った。世話好きの間瀬君は○高会の幹事をしている。

「何うせ閑だもの」

「郵便じゃ間に合わないのかい?」

「遠いところは横着を極めて郵便でやるが、本郷区は廻って歩く。皆の情勢偵察かた/″\さ」

「追々片付くね」

「うむ。好くしたものさ。山下が台湾銀行へ行くよ」

「ふうむ」