Classici giapponesi con furigana
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ひんみんくらぶ
貧民倶楽部
泉 鏡花
Leggi 貧民倶楽部 (ひんみんくらぶ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.333 caratteri · 111 schermate
」
と夫人に謝して再び梶棒を上げんとせり。
綾子夫人は、待てしばし、過日も狸穴の辺にて在原夫人にかかりし事あり。その時渠は病者を見棄てて大きに面目を失いぬ。殷鑑遠からず、一歩を過たば我はた無情の人にならんと、泥除を叩きて口早に、
「ちょいとお待ち。」
押留めて、「吉造、見受けた処病気のようだよ。容体を診てやるが可い。」「およしなさいまし。この頃は乞食が憐れっぽく見せようために、ああやっちゃあ誑しますよ。」「そういうことをいうものではない。可いから聞いてご覧。」
とたしなめられて不承々々、「こうこう夫人のお声がかりだ。空おろそかには思うめえぜ、どうしたのだな。え、おい、どこか悪いか。」
悩める婦人は顔も得上げず、病苦に声も切れ切れにて、「あ痛、あ痛々々、冷えましたせいか差込みまして……」「ふむ、持病の癪か。よくあるやつだ、家はどこだい。」「はい、家と申しては、……別にどこも。」と呼吸の下にて答えたり。
「そりゃ、ござったわ。いやにしんみりと持懸けたな。夫人油断なさいますな。慈悲を垂れると附上ってなりません。」夫人は頭を振らせたまい、「またそんなことを。