Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかいステッキ

赤いステッキ

壺井 栄

Leggi 赤いステッキ (あかいステッキ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.482 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

と、反古を捨てるようにいった。

「ほうらみい、克ちゃんだけ盲学校、えいなあ」

お母さんの頬をつうと涙が走った。

その日から“赤いステッキ”は克子の世界での万能の杖となった。

「克ちゃん、盲学校い行くせにえいが」

赤いステッキは克子の空想の中で翼をひろげ、その狭い世界から自由に歩きだすかのようである。どんな行きづまりも、どんな迫害も一度赤いステッキを振りまわせば解決がつくもののようであった。そんな克子を健は健なりの愛情でふびんがり、真剣なおももちで、

「克ちゃんよ、やっぱりな、お医者さんにかかって目をぱっちりしてもらえ、盲学校より幼稚園の方がおもっしょいぞ」

そういわれても克子はあっさりと蹴って、

「えいい、盲学校じゃい」

決然という。そういわれると健はさも残念そうに、

「川井君家のまっちゃんも、石野君家のミヨちゃんも、幼稚園に来よんのになあ」と、克子の顔を見ながら唾をのんだ。そんな健の目つきも知らず克子はにこにことして、

「健ちゃんよ、そのかわりな、喧嘩して健ちゃんが負けよったら赤いステッキで叩いてやるぞ」

まるで健の言い分を聞かないことの埋め合わせのようにいった。