Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あかいかしゃ

赤い貨車

宮本 百合子

Leggi 赤い貨車 (あかいかしゃ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.168 caratteri · 71 schermate

Aozora Bunko

と云った。

「陽気じゃないだけさ」

物干場は五階目の登りきったところで、一つ、物干場の戸があるきりであった。上へ行く路はない。下へ、もと来た階段を下りられるだけであった。夜は凄い感じがした。ナースチャは、スイッチをひねってから鍵で、そのたった一つの戸を明け、自分とリザ・セミョンノヴナを入れたのち、堅くとざした。

床には砂がしいてある。いく条も繩が張り渡され、その三分の二ばかりに物が干してあった。天井は低い。隅になにかの樽があった。ナースチャは、裾飾りのついたアンナ・リヴォーヴナの下着を腕にかけて外へ出た。あとに麻の大敷布三枚、台覆い、パーヴェル・パヴロヴィッチの下着、さらに奥のところにナースチャの前垂、更紗の服、桃色の股引がさかさに繩からつる下っているのが、薄暗い電燈で見えた。

「それだけでいいの」

「ええ、あとは明日でいいんです。左側のは、よその人のです」

ナースチャは永いことかかって戸の鍵をしめた。

リザ・セミョンノヴナは、廊下の物音で目をさました。復活祭に、あと三日という朝だ。女の声がした。アンナ・リヴォーヴナの声がした。泣き声が聞えたような気がした。