Classici giapponesi con furigana
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あかいらくだ
赤い駱駝
梅崎 春生
Leggi 赤い駱駝 (あかいらくだ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.820 caratteri · 24 schermate
二見は兵隊のままで残ってりゃよかったんだ。兵隊なら命令のままで動くだけで、そりゃ身体はきついだろうが、気持の責任というのはすくないだろう。ヘマをすればすぐなぐられるだけで、それで済むんだ。士官となれば、そうゆかないからな。名誉ある帝国海軍の士官というわけで、うっかりヘマをやろうもんなら、手あらくうるさいのだ。ほんとに海軍というところは、一見豁達に見えて、おそろしくうるさ型の多いところだった。神経を氷のように張りつめて、二見はその中で生きてきたんだ。それはたいへんな努力だっただろうと思う。
二見の体格は、とくに貧弱というのではなかったが、なにか不具めいた印象をあたえた。どこか均勢がとれていないのだ。手足がすこし長い感じで、それで関節がすぽっと抜けたような印象だ。女のような撫で肩で、それをおぎなうように薄い胸をぐっと反らしている。おれは思うのだが、二見は地方にいたときはきっと猫背だったに違いない。どこにつとめていたのか知らないが、軍隊に入って以来、軍人らしくないとか、勇往邁進の気に欠けとるとか、文句をさんざん言われた揚句、無理してあんなに胸を反らすようになったのだろう。