Classici giapponesi con furigana
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くまとしゃしょう
赤い鳥代表作集 2
木内 高音
Leggi 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) di 木内 高音 (きうちたかね) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 14.043 caratteri · 29 schermate
川をわたってから約二マイルのところが例の難所なのだ。機関士も、十分に速度を落しはするが、後部のブレーキは、どうしてもまかなければならないことになっている。が、速度のついた列車が、機関車のブレーキ一つで支え切れないとすると、脱線か転覆……か。わずか二、三両ではあるが、混合列車のことなので客車も連結されている。その乗客たちの運命は、まったく、自分ひとりの腕にあるといっていい。
自分は、足をふみしめて立ち上がった。と、ふいに明かるい光が一すじ、目の前を走って、暗い車内にななめの線を落している。
「月だ……月の光だ!」
貨車の横腹にある大きな板戸の、すきまをもれていましがた上がったと思われる月がさしこんできたのであった。自分は、なんというわけもなく勇みたった。月の光をたどって見ると、さけの山にかけられたむしろが二、三枚、足もとに落ちている。
「これだ。」自分は、とっさに思った。「火だ、火だ。」
自分は、あせりにあせって、ポケットのマッチをさがそうとしたところが、どうしても手がポケットにはいらない。もどかしく思って、ぐッと手をおしこもうとすると、ポキリと折れたものがある。