Classici giapponesi con furigana
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くまとしゃしょう
赤い鳥代表作集 2
木内 高音
Leggi 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) di 木内 高音 (きうちたかね) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 14.043 caratteri · 29 schermate
けわしい崖の中腹を走っている列車は、それと同時に数十尺の下に岩をかんでいる激流に、墜落するよりほかはない。」
そう思うと、自分は、もうじっとしていられなかった。おそろしさもわすれて、いきなり、さけをひろい上げると、それをくまの方に投げつけておいて、そのひまに戸をあけようとあせった。
「うわう……。」
ものすごいさけび声が列車の騒音にもまぎれずに、ひびきわたった。ガタピシとひっかかって、戸は動こうともしない。自分はふり返りざま、また、気ちがいのようにランプをふりまわした。くまは、後足で立ち上がったまま赤いランプの光におびえてか、爪をとぐねこのように、バリバリとそばの羽目板に爪をたてた。
一息ついた自分は、とっさに戸の上部のガラスまどをやぶろうと考えた。いきなり、うしろをふりむくと、手にした旗のぼうでガラスをつきくだいた。ガラガラとガラスの破片のとびちる音が気味悪くひびいた。同時にくるいたったくまは一声高くうなると、自分を目がけてとびかかってきた。あぶないところでむきなおった自分は、むちゅうで、横ざまにからだをなげだした。そのひょうしに、シグナル・ランプは、ガチャンとはげしい音をたててこわれてしまった。