Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.416 caratteri · 53 schermate
「なにか用か」
「話があるんだ」と半太夫は云った。
「まだ朝飯まえなんだ」
「御同様だ、はいってくれ」
登はしぶしぶ森の部屋へはいった。
「どこへいっていたんだ」
「どこにも」と登は肩をすくめた、「飯まえにちょっと歩いて来ただけさ、それがどうかしたのか」
「おれは、――」と半太夫はどなりかけたが、じっとこらえて、静かに云った、「新出さんがひどく気を昂ぶらせているから、そのつもりでいてくれといいたかったんだ」
登は黙った。
「さっき与力から呼び出しがあって、新出さんは詰所へいった、いっしょに来いと云われておれもいったんだ」と半太夫はややひそめた声で云った、「呼んだのは松本三左衛門どの、肝煎の小川氏(所長)も同席で、かよい療治の停止と、経費三分の一を削減すると云われた」
かよい療治はずっと以前に停止されていたのだ、と半太夫は説明した。養生所の増築をし、入所患者の数をふやすと同時に、正式にはかよい療治は許されなくなった。しかし実際には不可能なことであった。入所する患者を七十余人から百五十人に増しても、かよい療治に来る者は年間に少なくて三百五十人、多いときには七百人を越すこともある。