Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.113 caratteri · 35 schermate
――先生は暑くないのですか。
或るとき登はそう訊いてみた。去定は言下に、暑いさ、と答えた。それがどうしたといわんばかりの返辞なので、登は汗のことまで訊く気にはならなかったのである。
「この国の季候は湿気が強い、畳はその湿気と塵埃の溜り場だ」と去定は続けていった、「ためしにどこの家でもいい、そしていま煤掃きを済ませたばかりの畳を叩いてみろ、必ず塵埃が立つだろう、藁床と藺で編んだこの敷物は、湿気と塵埃を吸い、それを貯めておくのにもっとも都合よくできている、もちろん、裕福な生活をしている者は、畳替えをしたりよく掃除させたりすることで、その不潔さをかなりな程度まで緩和できるが、貧しい者ではそんなわけにはいかない、保本もだいぶ裏長屋などを見て来たから知っているだろうが、十年以上も敷きっ放しで、畳替えはしないし掃除も満足にはやらないから、芯の藁床は湿気でぼくぼくになり、擦り切れた畳表のあいだからはらわたのようにはみ出している、そこは蚤と虱の巣で、息をするたびに藁屑や塵埃を吸いこむことになる、床は低く、その下の地面はいつも湿っていて乾くひまがない、こんなところに寝起きをしていれば、病気にならないのがふしぎなくらいだ」