Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.626 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

「しっ」と十兵衛は制止し、それから声をひそめて云った、「そんなばかな声を出しちゃあ困りますよ、なにがいるかって、おまえさんには見えないんですか」

「おれにはなにも見えない」

「眼が悪いんだな、そうはみえないが」と云って、十兵衛は片手の指を立て、頭をかしげながら去定に囁いた、「そらあれです、眼が悪くっても耳は聞えるでしょう、そら、あれを聞いて下さい、聞えるでしょう」

去定は黙っていた。

「千両の囀りですよ」と十兵衛は去定に囁いた、「もうすぐ買い手がつく筈です」

去定はまもなく立ちあがり、また来て診よう、とおみきに囁いてから、土間へおりた。そこへ卯兵衛が戻って来、いっしょに路地を出たが、外はもう夜の景色で、竹造は提灯に火をいれた。

「いま長次の泥棒と騒いでいたようだが」と通りへ出たところで、去定が訊いた、「いつか診た五郎吉のところの子供か」

「さようです」と卯兵衛が答えた、「どうもこの長屋に悪い女が来やあがって、いろいろよけいな口をきくもんですから、金棒曳きの嬶やがき共がその尻馬に乗りましてね、弱い者いじめばかりしてしようがありませんや」

「五郎吉のかみさんはあれから達者か」