Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.626 caratteri · 45 schermate
十五年あまり稼ぎとおして、いまだに生活が苦しい。二人の子を亡くしていることや、いつになったら楽なくらしができるという当てもない。年も四十一になっていることなどで、「現在の生活からぬけ出よう」という、不断の願いが重なって来て、自分では意識せずに頭の変調を起こした。千両の鶯、などという妄想がそれをあらわしているように思う、と登は云った。去定は黙っていたが、やがて、暇があったら診にいってやれ、とあっさり云っただけで、登の診断についてはなにも意見を述べなかった。
それから五六日して、登がその長屋へいくつもりであると云うと、去定は例の金包みを渡して、これを卯兵衛に遣ってくれと云い、また、同じ長屋の井戸の脇に、五郎吉という日傭取りがいて、みんな躯が弱いから、そこへも寄って診てやるがいい、と付け加えた。――それから十月のはじめまでに五回、登は伊豆さま裏のその長屋へかよった。十兵衛は長屋の人たちから「鶯ばか」と呼ばれるようになり、相変らず坐ったきりで、鴨居の目笊を眺めくらしていた。
五郎吉の家族とも、このあいだに馴染になったのであるが、二男の長次をべつにして、五郎吉も女房のおふみも、他の三人の子供たちも、引込み思案で弱気らしく、なかなか登ともうちとけなかった。