Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかごうしくろうえもん

赤格子九郎右衛門

国枝 史郎

Leggi 赤格子九郎右衛門 (あかごうしくろうえもん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.484 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

と、一人の黒仮面の男が、手に持っていた松火を高く頭上に差しかざし、海に向かって振りました。すると、眼前の海の底から、ゴーゴーという音が響き渡り、巨大な岩とばかり思っていた海の面の物象が、見る間に上へ持ち上がり、忽ち居然たる大船が海上へ浮んだではございませんか。是ぞ黒仮面船でございます。それにしても自由に波に沈み又浪間から浮き上がって来るとは! 何んという不思議な恐ろしい船が此世の中にあるのだろうと初めて此時心から私は恐ろしく思いました。

六

それから私は何うしたか? 別に何うも致しません! 覆面した水夫達に導かれて、浮沈自由の怪船に乗り込んだのでございます。乗り込んで夫れから何うしたか? 別に何うも致しません! 階段を下って其怪船の胴の間へ這入ったのでござります。

すると其時、船底に当たってコトコトコトコトコトコトという、不思議な物音が聞えました。夫れと一緒に乗っている船が、恐らく水の底へ沈むのでしょう、グラグラ揺れるではござりませぬか。

「船は今水の中にいるのだな」斯う思うと私は復心からぞっとしたのでござります。それで私は無言のまま四辺をグルグル見廻わしました。