Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちょうじんひげのはかせ

超人鬚野博士

夢野 久作

Leggi 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.054 caratteri · 117 schermate

Aozora Bunko

「成る程、わかった。堕落した政党屋の遣りそうな事だ」

「父は、それですから、母にその証文を入れたバッグを出せ出せって申しますけども、どうしても母が出さなかったので御座います」

「成る程。それは又おかしいな」

「ええ。でもおしまいには、とうとう母が白状致しましたわ。亡くなります二三日前の晩に、すこし気が落ち附きますと、それまで肌を離さずに持っていたバッグを父に渡しました。けれども中味は空っぽで御座いました。その時から一週間ばかり前にどこかで自動車に突飛ばされて倒れた拍子に、そのバッグの中味を誰かに見られて奪られてしまったらしいんですって……その人が反対党の手先か何かだったに違いないって母は申しておりましたが……ほんとに申訳ない、口惜しい口惜しいって申しておりましたが……」

そう云って吾輩を見上げた令嬢の眼に一点の露が光った。ナカナカ親孝行な娘だ。今度は抱上げて頭を撫でてやりたくなった。

「そこでアンタはそのお父さんに対する世間の誤解を晴らそうと思うているわけじゃね」

「そうなんですの……駄目でしょうかしら……」

なかなか大胆な娘らしい。決心の色を眉宇に漲らしている。