Classici giapponesi con furigana
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ろじょう
路上
Leggi 路上 (ろじょう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.539 caratteri · 87 schermate
「は。」と、思ったよりもはっきりした返事をした。
「画は却々うまい。優に初子さんの小説と対峙するに足るくらいだ。――だから、辰子さん。僕が好い事を教えて上げましょう。これから初子さんが小説の話をしたら、あなたも盛に画の話をするんです。そうでもしなくっちゃ、体がたまりません。」
俊助はただ微笑で野村に答えながら、もう一度辰子に声をかけて見た。
「お体は実際お悪いんですか。」
「ええ、心臓が少し――大した事はございませんけれど。」
するとさっきから退屈そうな顔をして、一同の顔を眺めていた民雄が、下からぐいぐい俊助の手をひっぱって、
「辰子さんはね、あすこの梯子段を上っても、息が切れるんだとさ。僕は二段ずつ一遍にとび上る事が出来るんだぜ。」
俊助は辰子と顔を見合せて、ようやく心置きのない微笑を交換した。
十一
辰子は蒼白い頬に片靨を寄せたまま、静に民雄から初子へ眼を移して、
「民雄さんはそりゃお強いの。さっきもあの梯子段の手すりへ跨って、辷り下りようとなさるんでしょう。私吃驚して、墜ちて死んだらどうなさるのって云ったら――ねえ、民雄さん。あなたあの時、僕はまだ死んだ事がないから、どうするかわからないって仰有ったわね。