Classici giapponesi con furigana
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ろじょう
路上
Leggi 路上 (ろじょう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.539 caratteri · 87 schermate
そこで今まで抑えていたマントの背中を離しながら、
「じゃ、君一人で飲んで行くさ。僕はいくら奢られても真平だ。」
「そうか。じゃ仕方がない。僕はまだ君に聞いて貰いたい事が残っているんだが――」
大井は海老茶色の幕へ手をかけたまま、ふらつく足を踏みしめて、しばらく沈吟していたが、やがて俊助の鼻の先へ酒臭い顔を持って来ると、
「君は僕がどうしてあの晩、国府津なんぞへ行ったんだか知らないだろう。ありゃね、嫌になった女に別れるための方便なんだ。」
俊助は外套の隠しへ両手を入れて、呆れた顔をしながら、大井と眼を見合せた。
「へええ、どうして?」
「どうしてったって、――まず僕が是非とも国へ帰らなければならないような理由を書き下してさ。それから女と泣き別れの愁歎場がよろしくあって、とどあの晩汽車の窓で手巾を振ると云うのが大詰だったんだ。何しろ役者が役者だから、あいつは今でも僕が国へ帰っていると思っているんだろう。時々国の僕へ宛てたあいつの手紙が、こっちの下宿へ転送されて来るからね。」
大井はこう云って、自ら嘲るように微笑しながら、大きな掌を俊助の肩へかけて、
「僕だってそんな化の皮が、永久に剥げないとは思っていない。