Classici giapponesi con furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
Leggi 踊る地平線(下) (おどるちへいせん) di 谷 譲次 (たにじょうじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.823 caratteri · 283 schermate
問題のベニト・ムッソリニ氏は、この何年かの間に、世界各国のあらゆる新聞雑誌記者と、外国での記念という他愛もないがらくたを熱愛する旅行者の大訪問群によって、一日に何十回の面接と談話とで、すっかり職業的に荒らされてしまっているに相違ないことは、誰でもの常識内で許される想定だ。その彼を、すこし時節外れのこの頃になって襲撃するほど、私は、「去年の林檎」でありたくない気が強かった。私は、常に明日に生くる自負を持っている。この意味で、いま話頭に上っている「今日の人」は、それだけで、私の感興を惹くべく既にすこし古いのだ。それに、英雄崇拝という変態宗教は、私に来るところの最後のものである。だから、私は、半ば以上、この「黒襯衣を着た世紀の怪物」を、一瞬間でも邪魔することなしに、彼を、彼の大好きな首相、外相、飛行大臣、拓殖大臣等々々の七つの大臣椅子の上に、彼の讃美者に取り巻かせたまま、幸福にしておいてやることにしようと決心していた。そのかわり私は、羅馬のホテルの酒場で、アルコホルが語らせる旅客の伊太利観から、より多くの真実を掴み出そうと耳を立てるであろう。そして、どこの都会ででもして来たように、私は、この鞄の底から放浪者の仮装一式を身につけて、幾晩も続けて臭い裏街の彷徨に徹夜するだろう。