Classici giapponesi con furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
Leggi 踊る地平線(下) (おどるちへいせん) di 谷 譲次 (たにじょうじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.823 caratteri · 283 schermate
これはまあいい。厄介なのは夜だ。可哀そうな男は、毎晩毎晩CAPAと称する黒い円套――裏に凝って、赤と緑のだんだんの天鵞絨なんかを付けて通がってる――そいつをすこし裏の見えるように引っかけ、ボイナというぽっちのついた大黒帽の従弟みたいな物をいただき、もっと気取ったやつはカパのなかにギタアを忍ばせたりして、深夜に女の住む窓の下へ出かける。そして、南へレス産の黄葡萄酒よ! と合言葉を投げると、内部から、おお! 北リオハの赤葡萄酒! とか何とか応えながら、女が窓を開ける。時刻は予て打ちあわせてあるから、女は厚化粧をして待っていて、古城の姫君にでもなった気ですっかり片づけている。ここにおいて数分間、窓を通じて内外に恋のやりとりがあるんだが、この場合、いくら公認の忍びでもギタアを引っ掻いたりしちゃあ近処の迷惑になるから、たいがい沈黙のうちに両人同じ月を眺めて溜息をつくくらいのものだ。これが毎夜毎夜毎夜――以下無数――に継続する。しかし、ただ窓をとおして顔を見あったり饒舌ったりするだけのことだから、まるで動物園にお百度を踏むのと同じで、通うと言ったところで、単に男のほうで、愛の恒久性、恋の保証をこういう手段で見本に示すに過ぎない。