Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
てんき
転機
伊藤 野枝
Leggi 転機 (てんき) di 伊藤 野枝 (いとうのえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.656 caratteri · 67 schermate
を歩かなければならないのだと思うと、そういう処を毎日歩かねばならぬ人の難儀を思うよりも、現在の自分の難儀の方に当惑した。それでも山岡の最後の言葉には、私はまたしても自分を省みなければならなかった。私はすぐに思い切って裸足になり、裾を端折って山岡の後から沼の中にはいった。冷たい泥が足の裏にふれたかと思うと、ぬるぬると、何ともいえぬ気味悪さで、五本の指の間にぬめり込んで、すぐ足首までかくしてしまった。そのつめたさ! 体中の血が一度に凍えてしまう程だ。二三間は勢いよく先に歩いていった山岡も、後から来る私をふり返った時には、さすがに冷たい泥水の中に行きなやんでいた。
「どう行ったらいいかなあ。」
「そうね、うっかり歩くとひどい目に会いますからね。」
ついそこに木立は見えているのだが、うっかり歩けば、どんな深い泥におちこむかもしれないし、私たちは一と足ずつ気をつけながら足跡を拾って、ようようのことで蘆間の畑に働いている人の姿をさがし出した。そこは一反歩くらいな広い畑で、四五人の人が麦を播いていたのだ。私達がS青年の家への道を聞くと、その人達は不思議そうに私達二人を見ながら、この畑の向うの隅からゆく道があるから、この畑を通ってゆけといってくれた。