Classici giapponesi con furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
左はその直話である。
「ヨオ。仁三郎か。よく来た……と云いたいが何というザマだ。この寒いのに浴衣一枚とは……」
「ウム。俺あ途方もない幽霊に附纏われた御蔭で、この通りスッテンテンに落ぶれて来た。何とかしてくれい」
「フウン。幽霊……貴様の事ならイズレ女の幽霊か、金の幽霊じゃろ」
「違う。金や女の幽霊なら、お茶の子サイサイ狃れ切っとるが、今度の奴は特別誂えの日本の水雷艇みたような奴じゃ。流石のバルチック艦隊も振放しかねて浦塩のドックに這入り損のうとる。その執拗い事というものは……」
「フウン。そんなに執拗い幽霊か」
「執拗いにも何も話にならん。トテモ安閑として内地には居られん」
「一体何の幽霊かいね」
「缶詰の幽霊たい。ほかの幽霊と違うて缶詰の幽霊じゃけに、いつまでも腐らん。その執拗い事というものは……呆れた……」
愚直な林氏は茲に於て怫然色を作した。
「一体貴様は俺をヒヤカシに来たのか。それとも助けてもらいに来たのか」
「正真正銘、真剣に助けてもらいに来たのじゃないか。これ見い。この寒空に浴衣のお尻がバルチック艦隊……睾丸のロゼスト・ウイスキー閣下が、白旗の蔭で一縮みになっとる。