Classici giapponesi con furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
又或る時、杉山法螺丸が何かのお礼の意味か何かで、頭山満に千円以上もする銘刀を一口贈った事がある。無論、飛切り上等の拵附きで、刀剣道楽の大立物其日庵主が大自慢のシロモノであったが、その後、法螺丸が頭山満を訪問して、
「どうだ。あの刀は気に入ったか」
と云うと頭山満ニッコリして曰く、
「うむ。あれはええ刀じゃった。質屋に持って行ったら三十円貸したぞ。又あったら持って来てくれい」
其日庵主もこれには少々驚いたらしい。帰って来て曰く、
「モウ頭山に物は遣らぬ。あいつの伜に遣った方がええ」
法螺丸には男の児が一人しか居ない。これが親仁とは大違いの不肖の子で、
「俺みたいな人間になる事はならぬぞ」
という訓戒を文字通りに固く守って、托鉢坊主になったり、謡曲の師匠になったり又は三文文士になったりして文字通りに路頭に迷いそうなので、親仁も呆れて、感心な奴だと賞めながら月給を支給している。
「俺の伜は実に呆れた奴だ。小説を出版してくれと云うから読んでやると、最初の一二行読むうちに、何の事やらわからなくなる。屁のような事ばかりを一生懸命に書き立てているのでウンザリしてしまう。