Classici giapponesi con furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
これを聞いた少年連は皆、手を拍って奈良原の意見に賛成した。口々に、
「遣って下さい遣って下さい」
と連呼して詰め寄ったので並居る諸先輩は一人残らず泣かされたという。その中にも武部小四郎氏は、静かに涙を払って少年連を諫止した。
「その志は忝ないが、日本の前途はまだ暗澹たるものがある。万一吾々が失敗したならば貴公達が、吾々の後跟を継いでこの皇国廓清の任に当らねばならぬ。また万一吾々が成功して天下を執る段になっても、吾々が今の薩長土肥のような醜い政権利権の奴隷になるかならぬかという事は、ほかならぬ貴公達に監視してもらわねばならぬ。間違うても今死ぬ事はなりませぬぞ」
今度は少年連がシクシク泣出した。皆、武部先生のために死にたいのが本望であったらしいが結局、小供たちは黙って引込んでおれというので折角の謀議から逐退けられて終った。
かくして武部小四郎の乱、宮崎車之助の乱等が相次いで起り、相次いで潰滅し去った訳であるが、後から伝えられているところに依ると、これ等の諸先輩の挙兵が皆、鎮台と、警察に先手を打たれて一敗地に塗れた原因は、皆奈良原少年の失策に起因していた。