Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいほしゅぎしゃ

退歩主義者

坂口 安吾

Leggi 退歩主義者 (たいほしゅぎしゃ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9703 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

「五分おそく怒ったって、おんなじ理屈じゃないか。辛抱しなよ。食慾ッてものは仕方がないよ。戦地じゃ戦友の屍体の肉まで食いやがったっていうじゃないか。オレだって、こんなことはしたくないけど、ほかに当てがないからさ。オレの身になってくれなきゃ、いけない」

馬吉はチラチラと一平を見ながら、必死の速力で、かッこんだ。

「いけねえな。そこに睨んでいられると、むせちゃうよ。目を白黒ッていうのは、本人の身になると、とても辛いものだからね。どうも、いけねえ。つかえちゃったよ。もう五分のばしておくれよ。水だって飲まなきゃいけない。このオシンコはオレがつけたオシンコだけど、ちょッと、まずいね。睨まれてるから、気のせいかも知れねえや」

馬吉はようやくメシを食い終って、ヤカンの水を茶碗についでガブ/\のんだ。

一平は張合いがぬけて、怒る気持も薄れていたが、そこは芝居商売、怒る型に心得があるから、ゆるみがない。

「ヤイ、この野郎、ふざけやがって」

和服なら尻をまくって、ハッタと睨むまえるところ。

「おい、かんべんしろよ。メシを炊いて食ったゞけで、泥棒したわけじゃアないからな。もっとも、これから、チョイとやるツモリのところだったけど、まだゞから、かんべんしてくれよ。