Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うん

運

芥川 竜之介

Leggi 運 (うん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6913 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

」

「御冗談で。」

「なに、これで善い運が授かるとなれば、私だって、信心をするよ。日参をしたって、参籠をしたって、そうとすれば、安いものだからね。つまり、神仏を相手に、一商売をするようなものさ。」

青侍は、年相応な上調子なもの言いをして、下唇を舐めながら、きょろきょろ、仕事場の中を見廻した。――竹藪を後にして建てた、藁葺きのあばら家だから、中は鼻がつかえるほど狭い。が、簾の外の往来が、目まぐるしく動くのに引換えて、ここでは、甕でも瓶子でも、皆赭ちゃけた土器の肌をのどかな春風に吹かせながら、百年も昔からそうしていたように、ひっそりかんと静まっている。どうやらこの家の棟ばかりは、燕さえも巣を食わないらしい。……

翁が返事をしないので、青侍はまた語を継いだ。

「お爺さんなんぞも、この年までには、随分いろんな事を見たり聞いたりしたろうね。どうだい。観音様は、ほんとうに運を授けて下さるものかね。」

「左様でございます。昔は折々、そんな事もあったように聞いて居りますが。」

「どんな事があったね。」

「どんな事と云って、そう一口には申せませんがな。――しかし、貴方がたは、そんな話をお聞きなすっても、格別面白くもございますまい。