Classici giapponesi con furigana
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どうじょうじ(ひとまくげき)
道成寺(一幕劇)
郡 虎彦
Leggi 道成寺(一幕劇) (どうじょうじ(ひとまくげき)) di 郡 虎彦 (こおりとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.256 caratteri · 30 schermate
二十年の間この山を取り巻いていた呪いの霧が、蛇の鱗のように剥がれ落ちて、おおどかな梵音のひびく限りは、谷底に寝ほうけた蝦蟇まで、薄やにの目蓋をあけながら仏願に喰い入って来ようわ。久遠というえらそうな呪いも、二十年しかたたぬ今夜、ありがたい法力で己の爪が掻きほどいてしまったのだ。(和やかなる微笑)みんなもよろこばないか。悪蛇の奴、もう血の汁も出なくなって皮ばかりにひしゃげた首を石の間に垂れているわ。(この時にわかに僧徒らの姿がいかなるかに気づけるもののごとく、容想たちまちにして忿恚を現わし、声調また激しく変ず)お前たちは何だ、なぜそんな風をして物を言わずに立っているのだ。己が悪霊をたたきひしいだ話をしているのに、なぜそんな、墓石から出た煙のように慄えているのだ。
間。僧徒らものいらえんとするも、舌硬ばりで能わざるがごとし。唖口の空しく動けるは死に行く魚等のさまに似たり。
妙念 (いよいよ激して)なぜ黙っているのだ。己のものを言うのが聞えないというのか。
再び同じき期待の緊張返り迫る。ただ僧徒らに何らの抗意なく、いたずらに戦慄けるのみなると、さきには陰地に立てりし妙念の、今ところを異にして月色の中に輝けると異る。