Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうかんやま

道灌山

宮本 百合子

Leggi 道灌山 (どうかんやま) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8015 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

このはつは、ある朝いきなり北海道からうちへ来た。そして、富樫とひどい喧嘩をした。紫の紋羽二重の羽織に丸髷で、母のところへ挨拶につれて来られても、母に何か云ってくってかかった。このときも、母は非常におこった。お前にこそ、富樫でも大事な御亭主だろうが、このひろい世間で、あんな男一匹が、という風に、母は啖呵をきった。一刻もうちにはおけない。すぐ二人でどこへでも出て行くがいい。さっさと出て貰おう! そう云った。富樫はあやまって、はつにもあやまらせて、しばらく二人でうちにいたがやがて別になった。

勧進帳という長唄をはじめてきいたとき、富樫の左衛門という文句があるので子供たちは、大変おどろいた。あのはつの富樫と同じ名だったから、左衛門とはどういうことだろうかときょろきょろした。

こんなことは、みんな父がイギリスに行っている留守の間のできごとであった。

〔一九四八年三月〕