Classici giapponesi con furigana
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ちがうへいはちろう
違う平八郎
山本 周五郎
Leggi 違う平八郎 (ちがうへいはちろう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.142 caratteri · 27 schermate
三
「まあ、あれがお気に障りましてか?」
「どんなに寛いでも武士には武士の作法がある筈、身分の軽い新参者だからと云って、座興の種に笑い辱めるなどとは、殿も列座の人々も情を知らぬ卑怯者です」
「あれ、そんな高いお声で……」
「卑怯者です、情知らずの野人です」
寧々は唇を顫わして叫んだ。――葩をこぼれる露のように、長い睫を伝ってはらはらと泪が溢れ落ちた。
三
少しばかり派手な名披露目であった。
なにしろ強いという事が人間の値打をきめる時代に、臆病でお取立になるというのは桁外れである。若し是がそのまま無事にゆくとしたら却って不思議と云わなければなるまい。――平八はお庭廻りとして信長の側近く仕えることになった初めの日に、早くも自分が困難な立場に置かれたことを知らされたのである。
彼の役目は信長の館を警護するもので、毎日館の庭へ詰めるのであるが、お取立になって初めてお役に就いた日、お厩口のところで向うから来た二人伴れの武士と出会った。同役の人たちとは大抵もう紹介されているが、その二人は顔を知らないので目礼したまま行過ぎようとすると、
「あいや、失礼ながら御意を得たい」
と一人が近寄って来た。