Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごうすけほうし

郷介法師

国枝 史郎

Leggi 郷介法師 (ごうすけほうし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.163 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

「戦国の常だ。構うものか」

「それは左様でございますとも。しかし、この頃何となく、鎗玉に上げられたあの老人が、私の実の父かのように思われてならないのでございさます」

「アッハハハハ馬鹿なことを申せ。それはお前の心の迷いだ」

「……私は捨児でございましたそうで?」

「うん、そうだ、当歳の頃、光善寺の門前に捨られていたよ」

やがて郷介はご前を退り自分の邸へ帰って来た。

と、意外な来客があった。

「おおお前は杢介ではないか?」

「はい」と云って杢介は懐中から書面を取り出した。

「私にとってはご主人様、貴郎様にとりましてはお父上様が、磔柱へ付けられる前に、そっと私めに手渡した大事な書面でござります。是非とも貴郎様へ差し上げるようにと、仰せられましてござります」

「どれ」と云って郷介は書面を取って開いて見た。読んで行くうちに彼の顔は次第に血の色を失った。読んでしまうと眼を閉じた。そうして口の中で呟いた。

「案じた通りだ。……俺は親殺しだ。……恐ろしい運命。……坊主になろう。……」

7

しかし郷介が実父だと思った郷左衛門という侍は、実父ではなくて養父なのであった。そうして郷介の実父なるものはついに何者だか解らないのである。