Classici giapponesi con furigana
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ごうすけほうし
郷介法師
国枝 史郎
Leggi 郷介法師 (ごうすけほうし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.163 caratteri · 21 schermate
頭目と見えて四十年輩の容貌魁偉の武士がいたが、ニヤニヤ笑って眺めている。娘はヒーッと悲鳴を上げ、逃げようとしていたが、これは逃げられるものではない。とうとう捉えられて担がれた。
「もうよかろう、さあ行くがいい」
頭目は笑いながらこう云った。その時、傍の藪陰から一人の老法師が現われた。
「これ少し待て! 何をするか!」
その法師は声を掛けた。落着き払った態度である。賊共はちょっと驚いて一瞬間にわかに静まった。
「俺の娘をどうする意だ」
法師はまたも声を掛けた。嘲笑うような声である。
「これはお前の娘なのか」
賊の頭目は笑いながら、
「それは気の毒な事をしたな、野郎共娘を返してやれ」
そこで娘は肩から下され枯草の上へそっと置かれた。
賊共はガヤガヤ行き過ぎようとする。
「これ少し待て! 礼を知らぬ奴だ!」
法師は背後から声を掛けた。
「他人の娘を手籠めにして置いて謝罪せぬとは何事だ!」
「なるほど、これはもっともだ」
賊の頭目は苦笑いしたが、
「ご坊、どうしたらよかろうな?」
「仕事の首尾はどうなのかな?」
あべこべに法師は訊き返した。
「それを訊いてどうするつもりか?」