Classici giapponesi con furigana
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かわぐちこ
野菊の墓他六篇
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.105 caratteri · 61 schermate
考えてみると自分の良心をあざむいてまで、いわゆるつとめるということを実行する。けれども友人のほうはあんがい平気だ。自分からは三度も訪問しても友人は一度も来ないようなことが多い。こうなると友人という情義があるのかないのかわからなくなってしまう。腹の底の奥深い所に、怨嗟の情が動いておっても口にいうべき力のないはかない怨みだ。交際上の隠れた一種の悲劇である。友人のほうでは決して友人に金を貸すものではないと後悔しているのじゃないかと思うてはいよいよたまらない。友人には掻きちぎるほどそむきたくないが、友人はしだいに自分を離れる。罪がことごとく自分にあるのだから、懊悩のやるせがないのだ。
あぶない道を行く者は、じゅうぶんに足をふんばり背たけを伸ばして歩けないのが常だ。心をまげ精神を傷つけ一時を弥縫した窮策は、ついに道徳上の罪悪を犯すにいたった。偽りをもって始まったことは、偽りをもって続く。どこまでも公明に帰ることはできない。どう考えても自分はりっぱな道徳上の罪人だ。人なかで高言のできない罪人だ。
君の目から見たらば、さだめて気の毒にも見えよう、おかしくも見えよう。