Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かわぐちこ
野菊の墓他六篇
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.105 caratteri · 61 schermate
夫妻は精神疲労して物に驚きやすく、夜寝てもしばしば眼をさますのである。
おりから短夜の暁いまだ薄暗いのに、表の戸を急がしく打ちたたく者がある。近所にいる兄の妻が産後の急変で危篤であるから、すぐに某博士を頼んでくれとのことを語るのであった。
驚いている間もない。妻を使いの者とともに駆け着けさせ、自分はただちに博士を依頼すべく飛び出して家を出でて二、三丁、もう町は明け渡っている。往来の人も少なくはない。どうしても俥が得られなく、自分は重い体を汗みじくに急いだ。電車道まで来てもまだ電車もない。往来の人はいずれも足早に右往左往している。
人が自分を見たらば何と見るか、まだ戸を明けずにいる人もあるのに、いま時分急いで歩く人は、それぞれ人生の要件に走っているのであろう。自分が人を見るように、人も自分を見て、何の要事で急ぐのかと思うのだろう。自分がいま人間ひとりの生死を気づかいつつ道を急ぐように、人もおのおの自己の重要な事件で走っているのであろう。
あるいは自分などより層一層痛切な思いを抱いて、足も地につかない人もあろう。あるいは意外の幸運に心も躍って道の遠いのも知らずにゆく人もあろう。