Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ななこ

野菊の墓

伊藤 左千夫

Leggi 野菊の墓 (ななこ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.271 caratteri · 144 schermate

Aozora Bunko

「ウム、それではきさま三日たてば承知するのか」

おとよは黙っている。

「とよ黙っててはわかんね。三日たてば承知するかと言うんだ。なアおとよ、わが娘ながらお前はよく物の解る女だ。こうして、おれたちが心配するのも、皆お前のためを思うての事だど」

「おとッつさんの思し召しはありがたく思いますが、一度わたしは懲りていますから、今度こそわが身の一大事と思います。どうぞ三日の間考えさしてください。承知するともしないともこの三日の間にわたしの料簡を定めますから」

父は今にも怒号せんばかりの顔色であるけれど、問題が問題だけにさすがに怒りを忍んでいる。

「こちから明日じゅうに確答すると言った口上に対しまた二日間挨拶を待ってくれということが言えるか。明日じゅうに判らぬことが、二日延べたとて判る道理があんめい。そんな人をばかにしたような言を人様にいえるか、いやとも応とも明日じゅうには確答してしまわねばならん。

おとよ、なんとかもう少し考えようはないか。両親兄弟が同意でなんでお前に不為を勧めるか。先度は親の不注意もあったと思えばこそ、ぜひ斎藤へはやりたいのだ。どこから見たって不足を言う点がないではないか、生若いものであると料簡の見留めもつきにくいが斎藤ならばもう安心なものだ。