Classici giapponesi con furigana
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ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (ななこ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.271 caratteri · 144 schermate
それもこれもつまりおとよさんのために、省作も深田にいなかったのだから、おとよさんが親に棄てられてもと覚悟したのは決して浮気な沙汰ではない。現に斎藤でさえ、わたしがこの間、逢ったら、
いや腹立つどころではない、僕も一人には死なれ一人には去られ、こうと思いこんで来てくれる女がほしいと思っていたところでしたから、かえっておとよさんの精神には真から敬服しています。
どうです、それを面目ないの淫奔だのって、現在の親がわが子の悪口をいうたあ、随分無慈悲な親もあればあったもんだ。いや土屋、悪くはとるな」
薊はことばを尽くし終わって老人の顔を見ている。煙草を一服吸う。老人は一言も答えぬ。
「どうです、まだ任せられませんか、もう理屈は尽きてるから、理屈は抜きにして、それでも親の掟に協わない子だから捨てるというなら、この薊に拾わしてください。さあ土屋さん、何とかいうてください」
「いや薊さん、それほどいうなら任せよう。たしかに任せるから、親の顔に対して少し筋道を立ててもらいたい」
「困ったなあ、どんな筋道か知らねいが、真の親子の間で、そんなむずかしい事をいわないで、どうぞ土屋さん、何にもなしに綺麗に任せてください。