Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ななこ

野菊の墓

伊藤 左千夫

Leggi 野菊の墓 (ななこ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.271 caratteri · 144 schermate

Aozora Bunko

これは女側から出た声だ。

「なんだいべらぼう、ほめるんやらくさすんやら、お気の毒さま、手がとどかないや。省さんほんとに憎いや、もねいもんだ」

「そんなに言うない。おはまさんなんかかわいそうな所があるんだアな、同病相憐むというんじゃねいか、ハヽヽヽヽヽ」

「あん畜生、ほんとにぶちのめしてやりたいな」

「だれを」

「あの野郎をさ」

「あの野郎じゃわからねいや」

「ばかに下等になってきたあな、よせよせ」

おはまがいるから、悪口もこのくらいで済んだ。おはまでもいなかったら、なかなかこのくらいの悪口では済まない。省作の悪口を言うとおはまに憎がられる、おはまには悪くおもわれたくないてあいばかりだから、話は下火になった。政公の気焔が最後に振っている。

「おらも婿だが、昔から譬にいう通り、婿ちもんはいやなもんよ。それに省作君などはおとよさんという人があるんだもの、清公に聞かれちゃ悪いが、百俵付けがなんだい、深田に田地が百俵付けあったってそれがなんだ。婿一人の小遣い銭にできやしまいし、おつねさんに百俵付けを括りつけたって、体一つのおとよさんと比べて、とても天秤にはならないや。一万円がほしいか、おとよさんがほしいかといや、おいら一秒間も考えないで……」