Classici giapponesi con furigana
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のぎくのはか
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (のぎくのはか) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.539 caratteri · 67 schermate
嫁に往ってしまっては申訣がなく思ったろうけれど、それでもいよいよの真際になっては僕に逢いたかったに違いない。実に情ない事だ。考えて見れば僕もあんまり児供であった。その後市川を三回も通りながらたずねなかったは、今更残念でならぬ。僕は民子が嫁にゆこうがゆくまいが、ただ民子に逢いさえせばよいのだ。今一目逢いたかった……次から次と果てしなく思いは溢れてくる。しかし母にそういうことを言えば、今度は僕が母を殺す様なことになるかも知れない。僕は屹と心を取り直した。
「お母さん、真に民子は可哀相でありました。しかし取って返らぬことをいくら悔んでも仕方がないですから、跡の事を懇にしてやる外はない。お母さんはただただ御自分の悪い様にばかりとっているけれど、お母さんとて精神はただ民子のため政夫のためと一筋に思ってくれた事ですから、よしそれが思う様にならなかったとて、民子や私等が何とてお母さんを恨みましょう。お母さんの精神はどこまでも情心でしたものを、民子も決して恨んではいやしまい。何もかもこうなる運命であったのでしょう。私はもう諦めました。どうぞこの上お母さんも諦めて下さい。