Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のぎくのはな

野菊の花

小川 未明

Leggi 野菊の花 (のぎくのはな) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3396 caratteri · 7 schermate

Aozora Bunko

一

一

正二くんの打ちふる細い竹の棒は、青い初秋の空の下で、しなしなと光って見えました。

「正ちゃん、とんぼが捕れたかい。」

まだ、草のいきいきとして、生えている土の上を飛んで、清吉は、こちらへかけてきました。

「清ちゃん、僕いまきたばかりなのさ。あの桜の木の下に、犬が捨ててあるよ。」と、正二はこのとき、鳥の飛んでいく方を指しながら、いいました。

「ほんとう、どんな犬の子?」

「白と黒のぶちで、耳が垂れていて、かわいいよ。」

「それで、どうしたの。」と、清吉は、ききました。

「みんな、見てるよ。」

「困るね。僕たちの遊ぶ原っぱへ捨てるなんて、だれだろうなあ。」

清吉の心は、もうそのほうへ奪われてしまいました。

棒を持った正二も、清吉についてきました。

二人は、並んで歩きながら、話をしました。

「このあいだ、どこかの若いおばさんが、ねこの子をこの原っぱへ捨てにきたとき、正ちゃんはおらなかったかな。」

「ああ、おったとも。僕たち、ボールを投げていたじゃないか。まだ三十ぐらいのやさしそうなおばさんだったろう。」

「なにがやさしいものか。だれか見ていないかと、くるくるあたりを見まわしてから、ふいに、ぽいとねこの子を草の中へ投げたんだよ。