Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

Leggi 金属人間 (きんぞくにんげん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 78.616 caratteri · 157 schermate

Aozora Bunko

かぎをまわす音が検事の胸をえぐった。

気がつくと、針目博士が研究室のドアの錠をはずし、そこを開いた。そして博士はゆっくりと部屋の中へすがたを消した。検事は全身がかっとあつくなるのをおぼえた。取りおさえるか逃がすか、それはこれからの室内捜査のけっかできまる。

「なぜ、すぐはいらんのだ。しりごみしていてどうする」

検事は、入口のところに足をとめてしまった田口巡査を、低い声で叱りつけた。しかし検事は冷汗をもよおした。ぐずぐずしている自分の方を、もっときびしく叱りつけたいことに気がついたからである。

田口巡査は、はっとおどろいて、ウサギのようにぴょんとひとはねすると、研究室の中へとびこんだ。とたんにかれは、

「あっ」

という叫び声を発した。

長戸検事の顔は、いっそう青ざめた。そしていそいで部下のあとを追って中へはいった。

「うむ」

検事はうなった。あやうく大きな叫び声が出そうになったのを、一生けんめいに、のどから下へおしこんだ。

かれらはいったいなにを見たのであろうか。

それはなんともいいようのない奇妙な光景であった。窓のないこの部屋の四つの壁は、隣室につうずる二つのドアをのぞいたほかは、ぜんぶが横に長い棚になっていた。