Classici giapponesi con furigana
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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
Leggi 金属人間 (きんぞくにんげん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 78.616 caratteri · 157 schermate
異様な黒い箱だけが、ふたりの手にのこった。
黒箱の謎
「うーん、ざんねん。うまく逃げられてしまったわい」
長戸検事は、大通りのヤナギのかげで汗をふきながら、そういった。とり逃がした怪人物をあきらめたようなことをいいながらも、まだかれの目は往来へいそがしく動いていた。
「きょうは逃がしても、そのうちにきっとつかまりますよ」
蜂矢探偵が、検事をなぐさめた。
「そうだ。とにかく、彼奴はこのへんですがたを消したんだから、どこかこの近くに巣くっているのにちがいない。ああ、そうだ。怪人物がおとしていった黒箱を、ちょっとしらべてみよう。こっちへだしたまえ」
その黒箱は、さっきから蜂矢が検事からあずかって、こわきに抱いていたのだ。それは木の箱だった。しかしかなり重いところをみると、中に金属製の何物かがはいっているにちがいない。
「どこかあくんだろうが、どうしたらいいだろうかね」
検事は、こういうことになると、いつも手をやく方であった。そこで蜂矢のたすけをもとめる。
「さあ、どこがあくんですかな」
蜂矢もその場にしゃがんで、黒箱をいろいろといじってみる。なかなかあかなかったけれど、蜂矢がその黒箱の板の節穴に小指を入れてみたときに、きゅうに箱がばたんとはねかえり、四方の枚がはずれた。