Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.251 caratteri · 39 schermate
上から飛んで逃げたにきまってらあな。」
紋之助もにこにこして、
「この年寄りが、あんなところを上ったり下りたり、それに、私にあの力持ちの武右衛門さんが殺せるものですか。馬鹿も、休みやすみ――。」
いきなり、藤吉の手が伸びて、操り舞台のうえの人形の一つを、掴み上げた。それは、ものものしい頭髪と服装の、松王丸の人形だった。
「師匠にゃあその力がなくても、師匠の指には、いや、名人の操る糸の先には、金剛力があるのだ。部屋から、鴨居のそとへこの松王の人形を垂らして、これに三味の糸の束ねたのを持たして、操り糸を通す名人の指の先で、軽業師武右衛門を絞めたに相違ねえ――やい、野郎ども、退け!」
藤吉は、人々を押し退けて空地を作りながら、「見ねえ、この灯りを背負って、おいらの影は、あんなに大きく映らあ。藤吉どんの見たのあ、人間の影じゃあねえんだ。そら、こりゃあどうだ――。」
武右衛門の倒れた個所の障子に、松王丸の人形の影をうつすと、小さな人形が光線の関係で普通人の大きさに拡がり、頭が大きく、着物の裾がひらいて袴のように見え、それに、背を曲げて、いかさま傴僂のようである。