Classici giapponesi con furigana
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すずきもんど
鈴木主水
久生 十蘭
Leggi 鈴木主水 (すずきもんど) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.827 caratteri · 26 schermate
播磨守は脇息を押しのけて褥から膝を乗りだし、崩れた花のようなお糸の方の襟足のあたりを、強い眼つきで睨めつけた。
「あやつの言ったことは本当か、おぼえがあるのか。泣いていてはわからぬ、顔を上げい」
お糸の方は顔をあげると、涙に濡れた長い睫毛を伏せて膝のあたりに眼を落した。
「腰掛の端居で、忍び逢ったというのは、本当か」
「はい」
「扇を遣わしたというのも」
「ご存分に遊ばして」
下座から寿仙という幇間が飛びだしてきた。ツルリと禿げあがった頭のてっぺんを扇子の先ではじいて、
「いや、出来ました。これまたご趣向な。荻野万助、左七、べっこう、跣足でございます。そこで一句……秋の人と成おおせけり月の宴」
と、ぺこりと頭をさげた。
立田川清八という関取が飛びだす、俳諧師の貞佐が飛びだす。わいわい言いながらはぐらかしてしまった。播磨守は苦笑いをしながら盃を含んでいたが、白けた声で主水にいった。
「そこな鉄砲持ち、ここへ来い、前へ出ろ」
主水はおそるおそるの態で前に進んだ。
「ここな女と並んで坐れ」
主水は言われたようにお糸の方と並んで坐った。
「いかにも朋輩らしい面つきよ、似合うぞ、ついでのことに連れて舞え。