Classici giapponesi con furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate
これが使者の口上であった。もうこの時は深夜であり、専斎は床にはいっていたが、断わることは出来なかった。同じ若年寄管轄でも、林家は三千五百石、比較にならない大身である。
で、専斎は衣服を整え薬籠を持って玄関へ出た。
「深夜ご苦労にござります」儒者風の使者はこういって気の毒そうに会釈したが、「駕籠を釣らせて参りましてござる。いざお乗りくだされますよう」
「さようでござるかな、これはご叮嚀」
専斎はポンと駕籠へ乗った。と、粛々と動き出す。眠いところを起こされた上、快よく駕籠が揺れるので専斎はすっかりいい気持ちになりうつらうつらと眠り出した。すると、急に駕籠が止まった。
「おや」といって眼を覚ます。「もう林家へ着いたのかな。それにしてはちと早いが」
その時、バサッと音が駕籠の上から来た。
「何んの音かな? これは変じゃ」
すると今度は、サラサラという、物の擦れ合う音がした。
「何んの音かな? これはおかしい」
こう口の中で呟いた時、ひそひそ話す声がした。
「どうやら眠っておられるようじゃ。ちょうど幸い静かにやれ」――儒者風をした使者の声だ。
「へいよろしゅうございます」