Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate

Aozora Bunko

「大いに結構じゃありませんか。……で、もうお達しがありましたので?」

「ああ、あったとも、葺町の方へね」

「そりゃ結構じゃございませんか」

「云うまでもなく結構だが、さあ出し物をどうしたものか」

「で、お好みはございませんので?」

「そうそう一つあったっけ、紋切り形でね『鏡山』さ」

「ナール、こいつは動かねえ。……ところで、ええと、後は?」

「こっちで随意に選ぶようにとばかに寛大なお達しだそうで」

「へえ、さようでございますかな。かえってどうも困難い」

「さあそこだよ、全くむずかしい。委せられるということは結構のようでそうでない」

「いやごもっとも」

といったまま三津五郎はじっと考え込んだ。と、不意に団十郎はいった。

「家の芸だが『暫』はどうかな?」

「なに『暫』? さあどうでしょう」

「もちろん『暫』は家の芸だ。成田屋の芸には相違ないが、出せないという理由もない」

「えい、そりゃ出せますとも。しかし皆さん納まりましょうか?」

「私もそれを案じている」

「私もそれが心配です」

「といって私は是非出したい。……あなたさえ諾といってくれたら」

「さあ」

といったが三津五郎は応とも厭ともいわなかった。