Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Leggi 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.745 caratteri · 216 schermate

Aozora Bunko

「ご免」

と紋太郎は声を掛けた。奥でガヤガヤ話し声はするが誰も玄関へ出て来ない。「頼む」ともう一度声を掛けた。――と、今度は足音がして書生がひょっくり顔を出したが、

「これはご隣家の藪様で」

「昨夜盗難に遭われたとの事、ご家内に別状はござらぬかな?」

「はい有難う存じます。怪我人とてはございませぬが……」

「おおそれなれば何より重畳。そうして賊は捕らえましたかな?」

「いえ」

と云った時、奥の方から専斎の声が聞こえて来た。「どなたかおいでなされたかな?」

ヌッと現われた五十恰好の坊主。これが主人の専斎で、奥医師で五百俵、役高を加えて七百俵、若年寄直轄で法印の官を持っている。

「おおこれは藪殿で。ひどい目に遭いましてな。が、まずまずお上がりくだされ」

「さようでござるかな。ではちょっと」こういうと紋太郎はつと上がった。隣家ではあり碁友達でもあり日頃から二人は親しいのであった。

「早速のお見舞い有難いことで」

座が定まると改めてこう専斎は礼を述べた。が続いて物語った盗難の話は紋太郎の好奇心を少からず唆った。

――勝れて美しい若い女を小間使いとして雇い入れたところ、思いがけなくもその女が二の腕かけて背中一杯朱入りの刺青をしていたそうで、計らず見付けた女中の一人が驚いて専斎へ耳打ちしたので、専斎も大いに仰天し、暇をくれたのが昨夜