Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.006 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

が、ガラッ八の驚いたのは、その痣の醜さに引立てられるような、娘の美しさでした。十八九の、なよなよとした華奢立ちですが、色白で、眼が大きくて、吸い寄せられるような、不思議な魅力を感じさせる娘です。

ガラッ八の足はいつの間にやら、娘の後を跟けておりました。それは、職業意識だったか、それとも浮気心だったか解りません。

「おや?」

娘の入ったのは荒れ果てた門の中でした。もう黄昏時、――ガラッ八は四方の景色の凄まじさに驚いて、狐につままれたのではあるまいかと思ったほどです。

が、門の中に小綺麗なしもたやがあって、五十恰好の召使らしい女がいそいそと娘を迎えたのを見て、ホッと安心した心持になります。それはやはり出来の良い人間の娘に間違いありません。

路地をグルリと表の方へ廻ると、荒れ屋敷の一方はかなりの構えでその入口に看板が掛けてあって、「尺八指南、竹斎」と読めます。

「御免よ」

ガラッ八はもう飛び込んでおりました。

「どなたでございましょう」

破れた障子の蔭から、濡れた手を拭き拭き顔を出したのは、先刻裏の方の家で、美しい娘を迎えたあの老女ではありませんか。

「尺八を稽古したいんだが」